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従来から発売されていたハードカバーの「岩波 お話の本」シリーズ版が、ガリマール版の改訂に伴って、改定された。挿絵はガリマール社が複製し直したものになり、挿絵のキャプション(レイナルヒチコック版にはないもの)は、ガリマール改訂版をそのまま踏襲して、従来とは異なったものになった。「愛蔵版」の名が復活した。モルガン文庫所蔵のデッサン6枚とサンテックス略年譜が巻末に。
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| 備考・特記 : 新版第1刷。表題の文字が濃い藍色になった。何よりも大きな改定は、挿絵が「本物」になったことである。「夕陽眺める王子」他の、岩波独特の色付けも単色に戻った。 モルガン文庫所蔵のデッサンはサービス過剰であろう。「星の王子さま」とは関係がない図柄も含まれているし、「星の王子さま」を読む上で役に立つわけでもない。
予測どおり、新愛蔵版の売れ行きが思わしくない。発売から1年近くたった2001年10月現在、書店に山積みされているのはまだ第1刷だ。面目を一新しての改訂新版にしてこの出足の鈍さは、旧版からは想像もできない状況である。言うまでもなく、『オリジナル版』に喰われたのだ。当然のことと言ってよい。オリジナル版の判形は手頃な大きさで作りもしっかリしており、紙も印刷も上質。本文は横書きで、表紙のデザインもフランス語の表題が主体ともいえる洒落たスタイルになっている。それでいて価格は約半分である。日本国内の読者の数は、そんなに変らないし、『オリジナル版』によって新規発掘された読者は愛蔵版へ移行する魅力を感じない。旧来の読者も『オリジナル版』を選ぶだろう。『星の王子さま』標準判形の座は、愛蔵版から『オリジナル版』へと譲られたと見るべきであろう。 |
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