画像の色相について

画像の色相について

そもそも正確な色彩再現は不可能です

仮想世界であることの再確認

 家電店のテレヴィジョン受像器売り場に行って、いろいろ見比べてみたことはありませんか? もしそうした経験があるならば、まったく同じ電波を受けているのに、同じ色を出している受像器は一組もなかったことを、思い出してください。これは、映像機器の宿命なのです。
 モニターを眺めて、そこに映し出されているのが、送り手が望んだ色、あるいは、被写体本来の色だと思い込むのは、とんでもない間違いです。そもそも、受像器の中に被写体が実在するわけではないのです。あなたが覗き込んでいるのは、この世に存在しない「仮想世界」に過ぎないことを、肝に銘じていただかなければなりません。
 必要と思われる箇所では、繰り返し指摘しているように、送り手である私は、読者の皆さんが「正確な色彩」を鑑賞して下さると期待してはおりません。歪みのない色彩情報の授受は不可能なのです。

 あちこちのサイトで拾った可視光の色彩スペクトル(パブリックドメイン以外のものも含まれています。済みません、それらは無断使用です)。波長の位置を合わせてはおりませんが、基本的には同じ色の相対配列になるべきものです。「科学的」サイトに記載された、色の「基本」を表すものとしては、随分個性的だと思いませんか?
 スペクトルについて述べているページの画像ですから、普通よりは厳密にデーターを扱っているはずなのに、このありさま。色彩を厳密に扱うサイトではない画像の色の狂いは、これとは比較にならないくらい大きいのです。そして、(別項で議論するように)読者の皆さんが見ている「色」は、送り手である私が意図している「色」とは別物である可能性が極めて高いという現実があります。

 私はずっとマッキントッシュを使用しています。モニタは、長らくアップル純正のブラウン管モニタを使っていました。
 若い方々には想像も付かないことでしょうが、パソコンでは日本語文字が使えなかった時代がありました(メインフレームでは Fortran、パソコンでは BASIC 言語を使って、自分でプログラムを組んだものです。パソコン用 OS は、CP/M でした)。使い物になるパソコンが出現して、人間が文房具として使うパソコンと、パソコンに人間が使われるパソコンと、ふたつにひとつの選択でしたから、マッキントッシュ(その当時、まだカラーモニタはありません)を選ぶのは当然の成り行きでした。そして、私物とはいえ、論文投稿等の印刷用原稿作成に使うためにも、他の選択はあり得ない状況が続きました。パソコンはどんどん進化し、モニタも大型のカラーモニタが普及しました。印刷業界のデファクトスタンダードはマッキントッシュでしたし、現在でも、満足できる能力を持つパソコンは他には求められない状態ですから、選択に迷う余地はありません。
 当然、このサイトもマッキントッシュで作製しています。画像に関する限り最高の選択なので、正解と言うべきなのですが、パソコン界では少数派に属します。安価なサードパーティ製の液晶パネルモニタが多数出現して、問題は更に複雑化しました。
 後述するように、画像処理に関してはハードウエア,ソフトウエア共に個性的で、ガンマ設定値をはじめとして、全てを満足させる方法はありません。これらの説明は別項に任せることとして、なぜこのような記事を書く気になったのかを、簡単に説明(下の段落)し、予定している項目目次を、下欄に略記します。(ノンビリと書き足して行きます。どんどん増えて、最初の予定より詳細になって行くことでしょう。項目の組み直しも起きると思います。)

 複数セット使用していたパソコンとモニターを処分して、現在、 デスクトップ機器としては1セットだけを使用しています。引っ越しをして、輸送の手間が大変だったこと・設置する場所が狭隘になったこと・機器の寿命が迫っていたこと、等がその理由です。それでなくとも、このサイトを開いて以来、パソコンも、OS も、カメラも、スキャナーも、処理ソフトも、実に様々なものが世代交代しました。その度毎に、「こんな色にも見えていたのか」と、驚いたこともしばしばでした。特に仰天するのは、他人の(ウインドウズ)マシンから拙ページを覗いて、まったく別物といって良い画像を見つけたときです。しかし、「対策はない」というのが結論ですから、取り立てて画像の再処理・最適化はしませんが、ウェブサイトというものがどのような問題を抱えているのかを知っておいていただくことも必要かと思われますので、余談ページとして新たに記事を起こしました。

項目(予定)

 A. 感覚(今回の場合は「視覚」)システムの特性と個性
 人間の色彩認識は、角膜から始まって脳の高次連合機能に至るまで、避けることのできない個性と錯誤に満ちあふれています。最終的な受け手が人間である限り、解決不可能な宿命です。
  1. 通光器(角膜から網膜まで):人体唯一の透明タンパク質
  2. 網膜での受光と情報処理:光に色はない。ヒトがそこに色を見るのだ。― ニュートン ―
  3. 脳内情報処理:ニュートンのインディゴ
  4. 可視光:原色・中間色と色空間
  5. 表面色:複雑なスペクトル
 B. 撮像システムの特性
 映像を取り込む作業は、ハードウエアとソフトウエアの共同作業になります。選択肢が多い分、個性が避けられない分野です。
  1. 光源の特性スペクトル:単色光と白色光
  2. レンズとコーティングの特性:歪み
  3. 受光部の特性・レンズとのマッチング:偽色
    1. 銀塩カメラ・カラーフィルム
    2. フィルムスキャナ・CCD
    3. ディジタルカメラ・CCD
    4. フラットベッドスキャナ・CCD
  4. 処理アルゴリズムとデータ格納
 C. 画像処理
 取り込んだデータを、人が理解できる形に変換することは必須なのですが、とりわけ影響が大きいのがこの「現像」行程です。
  1. 現像ソフト
  2. ページ作成・意図的調整
  3. 圧縮/送受信
  4. OS とブラウザの特性
 D. 受像器
 数字の羅列では、人間に映像を感じ取らせることはできません。最終的に「絵」として光の明暗・色彩パターンを提供するのが、印画紙やスクリーンですが、これにも多くの問題が孕まれます。
  1. モニタの特性
  2. マッキントッシュとウインドウズ
  3. 読者の機器設定

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